昨日、友人からのメール。
「明日は虫送りがあるから、子ども連れて行くといいわ」
「虫送り」なんて昔話の世界の話かと思っていたが、なんとここ梼原では地域の行事として現役なのであった。あら、びっくり。
まあ梼原でも「虫送り」をするのは私が今、住んでいるエリアだけだそうだ。
確かに今では、農薬使えば虫も追い払える(正確には、殺せる・・・だけど)し、自分のところで米が出来ない(収穫できない)ということは、来る冬に生き残れるかどうかという切羽詰まった状況だったろうが、今はそこまでの人は多くないだろうし(商売としての農業となると、切実な問題になるが・・・・)だから昔のように心から「ああ神様、仏様。今年の米が無事に収穫出来ますように」と思わなくなっているのかも・・・・なんて思ったりする。
夕方、畑から戻って、息子を保育園に迎えに行って、それでもエネルギーが余っていたら覗きに行こうかな・・・と思っていた。
今日もぐったり疲れて、今から外出なんて無理無理!!と思っていたのに、結局参加。
鐘と太鼓の音と竹の先っぽを燃やして松明にしているその匂いにふらふらとついて行きたくなってしまったから。
よくわからないが道ばたにでっかい石の記念碑みたいなところへ着くと、みんなが持って歩いた竹の棒を燃やして、おじさんが「うんじゃらかんじゃら」と唱えて今年の作物に虫がつきませんようにと皆で祈る。
そしてまた来た道を戻ると、子どもらにはジュースとお菓子が、大人たちにはビールとおつまみが待っていた。
そして気がつけば、コップの中身は日本酒に・・・・・。
赤い顔してニコニコしているおじさんが、「来年は子どもらに花火を用意しよう」と提案。そうすれば子どもたちももっと楽しいだろうからと。
この間の地区の清掃の後の飲み会でも、「子どもらを集めるにはやっぱり焼き肉せんと!」
と言っているおじさんがいた。
清掃も、虫送りも、言ってみれば大人の行事なんだけれど、楽しいイベントのようにすることで、子どもも参加することができる。それによって郷土愛とか、協同の精神とか、村の構成員としての責任や義務なんかをそっと刷り込んでいるのかなと思った。