ロカヴォを支える人々

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かつて医学生時代に1人の盲目の紳士と献身的な奥さまに出会いました。野並定さんご夫妻です。 
野並さんは、戦後の食糧難時代、農業指導員として人一倍仕事に励まれ、結果、農薬中毒のために失明し、全身の神経を侵されました。 
自分と同じ被害に合うことがないように、と不自由なお体にも関わらず全国を講演して回られ、農薬の恐ろしさ、有機農業の大切さを説いて回られました。惜しくも若くして昇天されましたが、私たちの心に、大きな教訓と勇気を残してくれました。 
野並さんの体に及ぼした農薬の被害は比較的短期間のうちに起こりました(それでも診断がつくまでには、野並さん夫妻は、遠く関東の北里大学まで辿り着かなければなりませんでした)。しかし、農薬をはじめとするさまざまな環境汚染物質が、私たちや次の世代に及ぼす被害は、長い時間の後に生じるために、眼に見えにくく、それを解明するためには大がかりな人間における疫学研究を必要とします。今日認可されている農薬は、その毒性に基づき、こと細かく使用方法が規制されていますが、肝心の、根拠となる毒性のデータが欠落しているのが実情なのです。 
「この20〜30年の間に先天異常や小児ぜんそく、発達障害などが増加しており、ダイオキシン類や重金属、農薬など化学物質への暴露の増加、生活習慣の変化がその要因なのではないか?」という仮説に基づき、諸先進国に遅ればせながらやっと環境省が全国調査を始めました。「子どもの健康と環境に関する全国調査」(エコチル調査)です。この調査では10万人の子どもを胎児のころから小学校を卒業するまで追跡します。
わが梼原町もその対象地区に選ばれ、これから13年間にわたって、子どもたちをフォローします。 環境先進国であるドイツでは、食や暮らしの安全が重視され、有機農業、グリーンビジネス、再生可能エネルギーの開発が盛んに行われています。日本もドイツに劣らない優れたグリーンテクノロジーをもつ国です。「自然のもつ実力」を私たちのテクノロジーとスピリットをもって見つめなおし、より素敵な自然と人との関係性を築いてゆきたいものです。

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担当:高津

四国カルストの麓、環境モデル都市梼原町で25年以上有機野菜:ハーブ:穀物などを栽培し、自家用に鶏や食用ウサギなども飼ってきました。
2018年より一人松原農場に専念し「専門植物園」として「日本植物園協会」の認定を、今、目指しています。
「小さな美味しい植物園」は人間が食べる植物(野菜果物ハーブ穀物など)を500品目以上年間切らさず生産展示。勿論無農薬無肥料、土壌と作物に一切の「商品」を添加しない「自然農法」です。
自家採種100%が梼原町の固定種を産み出します。食べ物の自給自足=地域自給こそが地球環境の激変=社会環境の劣化から「大切な人」を守る残された唯一の道です。