菌核=灰色カビ病

サボイキャベツ

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  • 全身灰色カビ病に侵されたサボイキャベツ。地際から侵入した菌が道管を通り全身に廻った状態。灰色カビ病は春先と秋、ハウス内が温まり湿気が籠るようなときに多発する。

  • 対処法は発病株、枝葉は取り除き焼却する。ハウスの換気を良くし、湿度を下げる
  • 予防は土の微生物活性を高め多様な微生物を生かす土づくりを心掛ける。 

ブロッコリー

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茎の傷口から侵入した菌が菌核を形成し(黒いネズミの糞の様な塊)自身を守りに入った。この菌核は火で燃やすか地中深く埋めるかしないと、水分と温度条件ですぐ活動を始める種の様なモノ。

米糠など微生物が好むエサを常に萱、麦殻、枯れ草などと一緒に土に入れ込む。

冬場はハウス内を全面マルチし、地面からの放熱を押さえ、水分の蒸散も抑える。

2月ごろハウスに現れ始めたアブラムシは5月下旬〜6月にピークを迎え、夏場の暑さで休眠に入ります。今年は6月に入ってから例年殆ど被害のないエカキムシが、ほうれん草小松菜の緑の葉のキャンパスに白い絵の具でグルグル気ままに絵を描いてくれました。それも沢山。(ナモグリバエという5ミリほどの小さなハエが野菜の葉に卵を産みつけ、この幼虫が葉肉の中を食べながら大きくなってゆく、中身を食べられた緑の葉は葉緑素が抜け表皮だけとなり、幼虫が食べ歩いた跡が白く線として残る、まるで絵を描いた様に)放置しておくと緑の葉は白く全体が脱色してしまう。

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葉の中に潜り込んだエカキムシの幼虫を殺すには、手で葉ごと押し潰すしかないが簡単には発見できない。発生初期に食害された葉をちぎって捨てるか、成虫のハエを防虫ネットか不織布で防ぎ、葉に産卵させない方が良い。しかし現実はそう簡単ではない。この時期アブラナ科やナス科の害虫ナストビハムシ、キスジノミハムシという黒い甲虫が土の中から現れる。例えば小松菜を播種し蛾やチョウ、エカキムシの産卵を防ぐため不織布のトンネルをかける。小松菜が大きくなり収穫1週間前にトンネルを開けるとびっくり。小松菜は穴だらけでボロボロ。アオムシや蛾の幼虫ではなく黒くて丸い2ミリ程の小さな虫が一杯。手で捕まえ様とすると、ぴょんぴょん跳ねる。とても捕まえられない早さだ。黒い甲虫の背中に二本の黄色の筋があるのがキスジノミハムシだ。彼らの幼虫は土の中におり不織布トンネルに守られ成虫は大繁殖。閉じられた空間は生き物のバランスを壊しやすい。ハウス1棟を密閉し、強力な殺虫殺菌剤で皆殺しすると、完璧に100%皆殺しなど出来ないので、僅かに生き残った者が大発生する。(人間もまるごと生き物なので、近年の殺菌剤ブーム、清潔な身の回り品の氾濫は、逆にウィルスの脅威を増加させていると心配)

ぴょんぴょん跳ねる黒い甲虫を捕まえるには今のところ粘着テープしかない。きらく庵のハウスでは黒い甲虫を発見したら畝間に黄色の粘着テープを張り付けます。もちろん粘着テープには害虫だけ付くわけではありません。益虫もただの虫もくっつくものはくっ付きます。

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発芽した小松菜の双葉を食害するキスジノミハムシ。この生育段階で2匹も取り付かれた小松菜は大きくなる前に消滅する。

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担当:高津

四国カルストの麓、環境モデル都市梼原町で25年以上有機野菜:ハーブ:穀物などを栽培し、自家用に鶏や食用ウサギなども飼ってきました。
2018年より一人松原農場に専念し「専門植物園」として「日本植物園協会」の認定を、今、目指しています。
「小さな美味しい植物園」は人間が食べる植物(野菜果物ハーブ穀物など)を500品目以上年間切らさず生産展示。勿論無農薬無肥料、土壌と作物に一切の「商品」を添加しない「自然農法」です。
自家採種100%が梼原町の固定種を産み出します。食べ物の自給自足=地域自給こそが地球環境の激変=社会環境の劣化から「大切な人」を守る残された唯一の道です。