自給自足なら多品目が必要です

多品目栽培のメリット
(2)季節に合わせいろいろな野菜が食べられます
   自分が食べたい物、家族や友達に食べてもらいたい物、もっと積極的に日常に食べた方が良いと思われるもの、成長期の子供たちに欠かせない食べ物、疲れ切った身体や、年老いて1人では支え切れない人生の終末期のひととき、心身を癒す暖かい優しい食べ物などなど。

食べる楽しみや、美味しく食べられる喜びを分かち合える関係が人間関係の基本にあれば、それだけで充分人生は健康的です。
少量多品目栽培は結果、個人通販へと発展します。個人通販は作物(野菜や穀物など食べ物)を介して人間関係を 築く取り組みです。
自分の食べ物を自分の手で作り育てる事に満足できれば(自身が美味しく食べられる野菜の生産者として満足できれば)お客様も必ず満足します。

実に多様な品種や多様な風味、多様な食べ方に興味を持ち、タネをまき、発芽や成長を見守り、手助けし、気に掛け、心配し、成長の速さに驚き、開花結実の必死さに力をもらい、それらすべてを丸ごと食べる贅沢に感謝する。

 

少量多品目栽培

有機栽培のコツ 小規模栽培の話
(1) 少量多品目栽培  多品目の野菜(できるだけ科目の違う品種)を少量ずつ、こまめに作付し、同じ場所(畑)に続けて同じ品目を作付しない栽培法。
 例えば ほうれん草(アカザ科)→小松菜(アブラナ科)→レタス(キク科)→ほうれん草と繰り返す。
  小松菜(アブラナ科)→水菜(アブラナ科)→大根(アブラナ科)→小松菜 これでは少量多品目栽培のメリットは生まれない。
多品目栽培のメリット
(1) 病害虫発生のダメージを分散できる。

小松菜、水菜、ほうれん草、レタスが同じハウスに栽培された場合、最初に小松菜に発生したアブラムシは、次々と世代交代しながら小松菜に広がってゆく。小松菜を食べて育ったからこれは当然。アブラムシの密度が高まり、えさ不足となると、小松菜と同じアブラナ科の水菜に移住し繁殖、これも自然の成り行き。人生のサイクルは70年〜100年ぐらいだが、アブラムシは季節にもよるが生まれてから早い時は約1週間で繁殖を始め、1か月以上繁殖し続ける。単純計算すると1頭のアブラムシは1カ月で10,000頭となる。小松菜は生育適期でも種蒔き〜収穫まで1カ月かかるので、この場合小松菜は全滅だが、水菜の一部、ほうれん草、レタスは収穫出来る可能性がある。これがダメージ分散の例。
最も、ハウス全体にアブラムシが拡散した時は1部の雑草を除き、ほとんどの野菜は食害される。アブラムシも腹が減れば好みなど言ってはいられない。
4、5年前、6M×50M(300u)のハウス1棟がアブラムシの食害で全滅。余りにひどい状態にしばらく放置。恐る恐るハウスに入ると、今度はテントウムシの幼虫が大発生。ボロボロの枝葉や野菜の株元でアブラムシを捕食中。
ハウス天井のフイルムには、赤いテントウムシの成虫が一杯張り付いている。
そしてその後、水菜、小松菜、リーフレタスの一部の株から新芽が伸び始め、2週間後、新鮮な美しい姿で収穫、出荷となった。この時、気味悪いぐらいの数のテントウムシは、ハウス内にほとんど見つからない有様。餌(アブラムシ)不足でテントウムシの幼虫が共食いし、死滅したと思われる。300uの防虫ネットに覆われたハウス空間での出来事でした。
ある種の異常発生は環境バランスを崩し、結局、自らを自滅させ、そして自然(多様な生き物の世界)はいつの間にかバランスを取り戻す。大きな犠牲を払いながら。多様な生き物の棲む自然環境の維持こそが、有機栽培を成り立たせる基本といえる。

実際の栽培現場ではアブラムシの被害が出てからテントウムシをハウスに入れたのでは遅い。繁殖のスピードが違うからどうしても被害を受けてしまう。アブラムシの発生を予想して早めにテントウムシを入れ、腹を減らしたテントウムシがアブラムシを探してハウスの中を飛び回るぐらいが丁度いい。テントウムシもアブラムシもゼロにならない状態がいい。空気中も水の中も、もちろん土の中の生き物たちも、目に見えないところで喰うか喰われるかの鬩ぎ合いの平衡状態を維持している。この状態が自然界のバランスだと思う。

043.JPG アブラムシが一杯付いたトマトの葉にテントウムシの幼虫が蛹に、写真左は蛹から成虫に変身中のアブラムシの天敵テントウムシ。アブラムシはアリと共生し、アリはテントウムシを襲う。

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