灰色カビ病ー菌核病

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カビ(糸状菌)に侵されたリーフレタス。レタスの株元に白い綿上の塊が出来ているので菌核病と思われます。カビー糸状菌は空気中、水の中、特に土壌中には十万種以上存在すると言われ、土壌微生物の中で最も多いものですから、カビの発生する条件さえあればどこにでも出てきます。カビが生えると見た目は「悪者」扱いですが、いろいろなキノコも麹菌を利用した調味料も、チーズも、ワインも、人や動物の病気も世の中カビだらけ?です。農薬は、ほぼ無数にいるカビ(糸状菌)の特定の菌を死滅されるものを見つけ商品化します。殺す相手がほぼ無数にいますから生活環境の変化によって、仕事(商品開発)は限りなく続きます。最近は予防的発想で、特定の病原菌が発生しそうな時に、事前に別の無害な(人間にとって)菌を蔓延させ(レタスに散布)悪さをする菌の侵入を防ぐ商品も出来ています。

野菜を栽培する土壌に米ぬかと廃菌床(腐朽菌)を撒き、灌水しカビだらけにする(糸状菌)ロカヴォのやり方は、取り敢えず土壌の無数の糸状菌の発生をある程度コントロール出来るかもしれない(もちろん最初だけです)との、試みです。雑草も含め多様な品種を作付(少量多品目)したり、食べ物の自給をモノづくりの基本に考えるのも、異質なものは受け入れない、気に入らない物は排除する価値観ー合理性に対する生き残り策です。

アオムシーモンシロチョウの幼虫

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アオムシは蝶や蛾の幼虫の内、身体の表面が長い毛で覆われていない緑色の芋虫の事。
長い毛で覆われているものは毛虫と呼ばれ、誰からも?嫌われている。
写真はキャベツを好き放題毎日食べているモンシロチョウの幼虫、アオムシ。
アブラナ科の葉の裏に薄黄色の小さな卵を一つづつ産み付ける。キャベツ畑をひらひらと優雅に気ままに舞うモンシロチョウを見つけたら、産卵中という事です。
この卵から一匹の淡い黄色の幼虫が産まれ、キャベツの緑の葉を食べて体色が緑色になり、脱皮を繰り返しながら立派なアオムシとなります。(写真のアオムシは蛹になる直前です)
やがて口から錦糸を出し、自らの身体を葉に縛り付け、全身を糸で覆い蛹となります。

天敵  アオムシコマユバチのメスは若いアオムシを見つけると、産卵管をアオムシに突き刺し体内に10個以上の卵を産み付けます。アオムシ体内で孵化した蜂の幼虫はアオムシ(寄生主)の体内を食べながら大きくなり、アオムシが蛹になる頃、体表を食い破りコマユバチの幼虫がぞろぞろ出てきます。コマユバチの幼虫はその場ですぐ繭を紡ぎ蛹になりますが、驚くべきことにアオムシは自らを蛹にすべく錦糸で天敵が蛹になるのを手伝います。 天敵のコマユバチが蛹になるのを見届けてアオムシは死んでしまい、自らは蛹になれず、蝶にも変身できません。

アオムシ殺虫方法
1:アブラナ科野菜の生育初期段階で蝶や蛾の成虫が飛ぶのを見つけたら、葉の裏や、食害跡や糞を捜し幼虫を見つけ、手で取り殺す(ロカヴォでは川が農場横にあるので魚の餌とする)
2:若齢幼虫期なら唐辛子液の濃い濃度を散布すればアオムシは死ぬが、今回写真のアオムシには効果なかった。体表に毛が生え唐辛子液をかけても体表に付着しない。
3:微生物農薬の散布  アオムシ若齢期に散布すればある程度効果あるが、カビを繁殖させる湿度、温度が必要。価格が高いのも難点。
4:物理的防除法  ハウスや露地トンネルの場合防虫ネットで外からの侵入を防ぐ。難点は換気が悪くなり陽射しも遮る。又一度侵入してしまうと繁殖地となってしまう可能性がある。天敵も防ぐため。

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11/30日夕方、四万川農場近くの道路脇電柱にナミテントウの大群発見。電柱が黒い斑点で覆われ、近づくとどこからともなく、足元や身体がテントウムシだらけに。暖冬でハウスの中に未だに居座るアブラムシをやっつける天敵のあまりの多さに興奮。

手持ちの籠にかき集めようと、もがくもうまく出来ず。

結局300匹ぐらいをハウスの中へ。(写真)

翌々日、今度は松原農場近くの道路脇の電柱に虫の大群。これもナミテントウの群れでした。

異常気象と虫の大発生。平均気温が少し上がると

予想外のことが起きるのは、本当です。

 

冬の害虫で最も厄介なのがヤサイゾウムシ。飛ばない甲虫で土や野菜の上をのそのそ歩き、秋、土の中や、野菜の芯葉などに産卵。産卵数は一匹約1000個ぐらい。この幼虫が冬野菜の芯葉を食い尽くす。戦後ブラジルから帰化したらしい。冬のハウスの中で春菊、にんじんをはじめアブラナ科の野菜などなんでも食う。

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 日本にはメスしか居らずオスなしで産卵する(単為生殖)。
野菜を食べた幼虫は、春先土の中でさなぎとなり、秋、成虫となる。化学農薬を使う慣行農業では、アブラムシなどの殺虫剤で簡単に死ぬので、ヤサイゾウムシは大した害虫ではない。有機栽培では冬の手強い害虫です。

野菜ゾウムシの幼虫(小さな幼虫が冬野菜の小松菜、春菊、ホウレン草などの芯に入り込み成虫になるまで食べ続ける。一株に一匹取りつくと新葉を食べつくし収穫にならない。手で捕獲しようにも小さくピンセットなどでとる以外に方法がない厄介者です)

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担当:高津

四国カルストの麓、環境モデル都市梼原町で25年以上有機野菜:ハーブ:穀物などを栽培し、自家用に鶏や食用ウサギなども飼ってきました。
2018年より一人松原農場に専念し「専門植物園」として「日本植物園協会」の認定を、今、目指しています。
「小さな美味しい植物園」は人間が食べる植物(野菜果物ハーブ穀物など)を500品目以上年間切らさず生産展示。勿論無農薬無肥料、土壌と作物に一切の「商品」を添加しない「自然農法」です。
自家採種100%が梼原町の固定種を産み出します。食べ物の自給自足=地域自給こそが地球環境の激変=社会環境の劣化から「大切な人」を守る残された唯一の道です。