堆肥づくりの基本

自然に依拠した栽培(自然をよりどころとする栽培)の場合、豊かな土壌程、豊かな生育=収穫が期待されます。野菜の生育には太陽の光と澄んだ大気と風、綺麗な水が欠かせませんが、次に土壌が問題となります。
野菜の生育に必要な栄養分は、大部分が水を介して根から吸収されますが、有機栽培の場合その栄養分は何らかの「堆肥」と呼ばれるモノが使われます。ロカヴォでは動物由来の堆肥は使いません。(鶏を少しばかり飼っていますから其の糞はハーブ畑の一部に入れています)

堆肥素材を考える時、大切なのは身近に安く継続して手にはいる事が基本です。
希少なモノや、高い運送費が掛かるものや高価なモノ、臭いものもいけません。無理なモノは続きません。
現在ロカヴォでは「堆肥」として、椎茸の廃菌床と、米糠、牡蠣殻、畑やその周辺の萱、畑の雑草、そして作物の残さを土に戻しています。
苗床の土も鉢上げの土も、作物が何であれ、露地畑とハウスの堆肥はこれだけです。

梼原町は85%以上が山林で、製材所やペレット工場、菌床用のオガコ製造工場もあります。
そのほかに必要なのはロカヴォ農場内の土や、あらゆる生き物たちや、大気中に漂う微生物カビ細菌の類です。本当の処彼ら無数の存在がどのように代謝循環しながら何を生み出しているのかは、わかりません。見た目、湿度が高ければカビ(糸状菌いろいろ)が生え、太陽が照りつければカビは見えなくなります。
この「堆肥」には時間が経つとミミズやカブトムシの幼虫が入り込み、乾くとダンゴ虫や蟻が棲み付きます。(2018年現在は自家製もみ殻燻炭と貝化石、地元精米所からの少量の米ぬかだけ使用ー主に苗床の土に使用)

施肥後カビだらけの畝-500.jpg

11月20日、雨が2日続き高い湿度と暖かさでカビだらけの畝(5日前、寒さで枯れたバジルを片づけ右の通路に。畝に米ぬかを撒きそれに菌床を乗せ、さらに米ぬかを撒き灌水)
ハウス内は不耕起でタイミングを見てこの畝にはリーフレタス類を定植予定。 

カヤ(萱)が一番

萱(カヤ)カッターでカットー550.jpg

寒い冬は堆肥作りの季節です。耕作放棄された田畑や土手にはいつの間にか萱(カヤ、ススキ)が、群生しています。
花が咲き終わり、充分木が熟し枯れた萱は、繊維質が多く堆肥の原料には最適です。イネ科の萱には野菜の仲間はおりませんから、土の中の有機物としては貴重な存在です。土の中の微生物、細菌などの多様性、高密度が豊かな土の条件です。
草刈り機で刈り倒し、掻き集めてロープで結束し、トラックで運搬、カッターで少量づつカット。この一連の作業は中々大変です。ロカヴォでは高畝にされた畝間に萱と菌床を敷き込み(主に夏のトマトなどの果菜類)、作付終了後の秋に残材と一緒に畑に戻します。
一昔前までは田舎の家、納屋などの屋根葺きの材料として萱は大事に保存(集落の萱場)されてきましたが、
田舎の人手不足ー過疎高齢化が進み、梼原町でも茅葺屋根は茶堂等に残るだけとなりました。萱刈りー乾燥ー屋根の葺き替えは熟練者と多くの人手が必要です。
ドイツ、オランダ、イングランドなどの方が茅葺建築物は多くみられます。

お問合せ・ご相談はこちら

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
090-7140-0721

担当:高津

四国カルストの麓、環境モデル都市梼原町で25年以上有機野菜:ハーブ:穀物などを栽培し、自家用に鶏や食用ウサギなども飼ってきました。
2018年より一人松原農場に専念し「専門植物園」として「日本植物園協会」の認定を、今、目指しています。
「小さな美味しい植物園」は人間が食べる植物(野菜果物ハーブ穀物など)を500品目以上年間切らさず生産展示。勿論無農薬無肥料、土壌と作物に一切の「商品」を添加しない「自然農法」です。
自家採種100%が梼原町の固定種を産み出します。食べ物の自給自足=地域自給こそが地球環境の激変=社会環境の劣化から「大切な人」を守る残された唯一の道です。