厳寒気のハウス土壌消毒  (四万川農場A3 6×50m=300㎡)

(夏場の「ハウス密閉+湛水後全面マルチ」による土壌熱消毒の冬季版)

病害虫多発、連作障害等の対策として、自然エネルギーを利用した、主に害虫密度の軽減方法の試み。

冬の有機栽培(無農薬栽培)の主な害虫 

 夜盗虫をはじめとする蛾、蝶の幼虫、 ゾウムシの成虫、幼虫、 アブラムシの越冬成虫、、ダンゴ虫、キス ジノミハムシ幼虫、成虫、 カブラハバチ幼虫、 コオロギ(ハウス内越冬)など

方法  

氷点下の朝が続く12月後半は、日照時間も短く、また四万川農場は標高1200mの四国カルストの麓にあり、大陸からの冷気と山陰並みの雪、曇天日が多く、晴天日でも氷が溶けない日が続きます。この日照不足と低温を利用し、土壌消毒(ハウス内土壌の生物相を変化させる)を行いました。

1:ハウスの天井フィルムをはがす。

2:ハウス内の野菜残材、雑草を耕耘漉き込み。

3:ハウス内が湛水するまで山水を入れ、ロータリーで耕耘、止水(田んぼのシロカキ)。

4:ハウス内全体が均一に湛水し氷結したら完成。

5:大雪の心配がなくなるまで放置し、その後フィルムを張り耕耘後、作付開始予定。

期待できる効果

1:長期間連続で作付を続けたハウス土壌に、雨、雪、山水を大量に入れ冬の田んぼの苗代状態を作り出すことで、土壌水分、温度、PH,溶存酸素量、塩基濃度などが急激に変化し、かつ土壌の物理性も変わり、生物相が大きく変わる(今の野菜害虫が酸欠、低温などで激減する)。        

2:病原菌についても大きな変化が一時的に起き、有機栽培では特に発生が多くなる、うどんこ病などに効果的と思われる。(ただし菌核などには効果なし)

3:もし連作などで残存肥料分が過剰な場合、大量の灌水、雨さらしで流失できる。作付前に土壌分析し施肥設計できれば一番良い。

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田んぼの苗代状態になるまで、水入れ後数回耕耘。この日は雪がぱらつき昼間の温度も氷点下のまま。

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担当:高津

四国カルストの麓、環境モデル都市梼原町で25年以上有機野菜:ハーブ:穀物などを栽培し、自家用に鶏や食用ウサギなども飼ってきました。
2018年より一人松原農場に専念し「専門植物園」として「日本植物園協会」の認定を、今、目指しています。
「小さな美味しい植物園」は人間が食べる植物(野菜果物ハーブ穀物など)を500品目以上年間切らさず生産展示。勿論無農薬無肥料、土壌と作物に一切の「商品」を添加しない「自然農法」です。
自家採種100%が梼原町の固定種を産み出します。食べ物の自給自足=地域自給こそが地球環境の激変=社会環境の劣化から「大切な人」を守る残された唯一の道です。